Drunken Engineer

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内販100%のユーザー系SEを新卒一発目で選ぶとキャリアが詰みかける

はじめに

内販100%のユーザー系SE(いわゆるユー子)を新卒一発目で選ぶとキャリアが詰みかけます。 このエントリではなぜ詰むかを記しておきます。

なぜ詰むか

親会社の飯の種でない というビジネス構造上の要因、技術力・マネジメント力が高くなりづらい という市場価値上の要因があります。 さらに親会社が安定しているため給料も悪くはなくやめづらいという要因もあります。

親会社の飯の種でない

ユー子は親会社からするとコストセンターでしかないので、お金を積極的に突っ込むことは経営上行われません。

お金が積極的に突っ込まれないため、システムに対し「できるだけお金をかけずに動けばいい」というマインドが支配的です。 できるだけお金をかけないので、セキュリティ面の問題がない限りはアップデートは無視されます。

2000年代初頭に書かれた Java 1.2 のコードが2012年に入社した時に動いていましたが、2018年現在も変わらず元気に動いています。 そういう環境なので Java 8 ではついにラムダ式が導入され関数型っぽく書けるようなった、みたいな話は誰もしません。業務に関係ないからです。

また最先端の IT 技術、今でいうと AI や IoT 関連の仕事はユー子にはほぼありません。親会社の企画部署が独自に大手SIerベンチャーに頼んでいます。 親会社から降りてきた仕事を請けるという、ぬるい環境で仕事をしていた結果、技術的競争力が皆無なのでそういう最先端の技術は会社としては持っていません。

技術力・マネジメント力が高くなりづらい

ユー子は保守運用がメインになるのでがっつり開発の経験を積むことが非常に難しいです。 実装するといっても既存のソースに手を入れたりするくらいで、一からテーブルを設計し画面を開発する経験が積みづらいです。

何より保守運用がメインだと、特に若手のうちは、職務経歴書に書くことがないのが致命的といえます。 さらにユー子は原則マネジメント側になるのでコードを書く機会はほぼありません。

そしてマネジメントといってもやることは親会社の事業部間の調整やパートナーの会社との調整です。 いつも同じような仕事相手になるのでポータビリティのあるマネジメント力は育ちにくいです。

親会社が安定している

親会社が安定しているのが詰む一番の原因です。 なまじ給料は低くなく、気のいい人が多いため、スキルアップという面を除けば働きやすく居心地が良かったりもするので、転職する積極的な理由ができにくいです。

気まぐれで転職エージェントに行ってみても市場価値の上がる仕事内容ではないのでキャリアアップ転職は狙えません。 給料のダウン額に愕然として転職する気がなくなる、といったパターンが典型的です。

親会社が安定しているから安定している、というのは裏を返せば親会社が不安定になったら不安定になる、ということです。 親会社が経営危機になるとコストセンターであるユー子には真っ先にしわ寄せがきます。 自分は IT の仕事をしているのに IT とは無関係の商売が傾いたら自分が危なくなる、というのは不安定でしかないと考えます。

おわりに

この記事で書いているのはあくまで内販100%のユー子です。外販をやっている会社で外販の部署に配属されれば該当しないと思います。 新卒の方々はくれぐれも気をつけてください。